【用語解説】リード投資家(リードインベスター)とは?

リード投資家とは? 用語解説
【ゼロから学ぶCVC】リード投資家とは?

リード投資家とは?

リード投資家とは、スタートアップやベンチャー企業が資金を募っているときに、その資金の出資元となる候補に声をかけたり、その結果集まった複数の出資元(リード投資家に対して協調投資家という)を代表してバリュエーションをはじめ、投資契約、株主間契約の内容の交渉を主導する役割を担う。リードインベスター(Lead-Investor)とも呼ばれる。

ベンチャー企業が資金を募っているときは、いわゆる「ラウンド」を開けてる状態にあるが、この「ラウンド」において求めている資金額の目標に対して、いくつかの理由で一人(1社)の投資家だけでは、投資できない場合がある。例えば、ベンチャー側が5億円の資金調達をしようとしても、投資家は限られた予算のなかでリスク分散を考えてポートフォリオを組むため、「1社あたりに投資する金額は3億円まで」というルールを持っていたりする。こうした場合に、リード投資家が周辺の投資家に声掛けを行い、複数の出資元がベンチャー企業が求める調達額を分けて出し合うことにある。

このシステムは、リード投資家、スタートアップ、そして協調投資家にとって、それぞれのリスクやコストを低減させる三方良しの仕組みである。

ベンチャー側のメリット、デメリットは?

ベンチャー企業にとっては、希望する出資額を確保するために、自分たちではアプローチきれない投資家へ声掛けをしてくれ、また出資先それぞれと金額交渉を大幅に省くことができるため、時間や手続き上のメリットがある。

また、リード投資家となるのはほとんどの場合VCであるが、リード投資家となるVCが事業会社をラウンドに連れてくることは、ベンチャー企業にとっては、これまで持っていなかったチャネルや経験などをもとに有益なアドバイスを得られる可能性がある。

一方で、リード投資家から「最恵待遇条項」という、リード投資家以外の、他の投資家との間で締結する株主間契約の内容よりも有利な合意をしてはならないという条件を課せられることがある。

協調投資家のメリット、デメリットは?

協調投資家は、リード投資家や資金調達元を探しているベンチャー企業自身の声掛けによって出資に参加する投資家のことです。コ・インベスター(Co-investor)とも呼ばれる。

CVCやベンチャー投資に慣れていない企業にとっては、ソーシングからバリュエーション、投資契約までの一連の手続きを担ってもらえ、より適切らしい価格での投資をしやすい。

一方で、リード投資家はすでに対象となるベンチャー企業に対して、すでに資本を入れてる場合が多い。そのため、基本的な意識としては、前のラウンドよりも株式の価値を高めたいと考えているため、建設的にバリュエーションがなされているかどうかを観察しなければならない。リード投資家がベンチャー企業との間で合意した株価を変更することはできないため、ラウンドに参加するかしないかを事業会社側もしっかりと自分たちでバリュエーションして検討する必要がある。

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